「第1番札所は一番優しい駅である」
第1番札所に相応しいといえる、輸送実績、発着本数ともに最大の四国を代表する起点駅である。しかも徒歩3分の場所にJR四国本社があり同社の偉い人の利用も多く、駅員さんは常に緊張状態を強いられているらしくて(笑)、JR四国本店といってもはばからない陣容を誇っている。 ここより1キロ強はなれた場所にあった初代駅から数えて4代目となる現駅舎は2001年に完成。宇高連絡線は廃止されたものの「四国の玄関口」のイメージを色濃く残している。
さて、高架駅ならぬ平地の駅といえばその構造上からして必ず線路を跨ぐ跨線橋や線路をくぐる地下道もしくは構内踏み切りがつきものである。しかも高松駅のような9番線まである大型の基幹駅であればなおさらホーム間をつなぐ橋が必要である。しかしそのようなものが高松駅にはない。すべての線路の始まりであり終わりでもあるこの駅は、上から見ると改札口に対してホームが櫛の歯状に配置されており、どのホームに向かうにも線路を跨ぐ必要がないのである。跨線橋や地下道がないということは階段を上り下りする必要がないということ。さらに新築の平面駅なので線路部分を掘り下げて床面自体は思い切ってフラットに造られており、駅前から列車に乗車する行程上に階段がひとつも見当たらない。ご存知東京駅や新宿駅は階段だらけ。四国の主要駅を見ても松山駅や徳島駅は跨線橋、高知駅は高架の駅なので2階まで登らねばならない。田舎の単線のホーム上の無人駅にしても地面からホームの高さまで数段の階段がある。ふだんの利用客からすれば当たり前といえば当たり前であるが言われてみれば初めて気がつくような世にも珍しい構造の駅でなんである。
癒しの国である四国を代表する1番札所駅は、車椅子にも高齢者にも、さらには私のようなデブチンにも優しい駅なのであった。
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「夜の高松駅正面。平面駅なのに天井が高い。」
夜の高松駅正面。平面駅なのに天井が高い。
「駅コンコース。ここからすべてのホームの端まで階段は一段もない。」
駅コンコース。ここからすべてのホームの端まで階段は一段もない。
「自動改札であるが、そもそも四国にはここと高知駅だけ。せっかく改札機を通っても回収はほとんどワンマンの運転手さんである。(笑)」
自動改札であるが、そもそも四国にはここと高知駅だけ。せっかく改札機を通っても回収はほとんどワンマンの運転手さんである。(笑)
「改札口より櫛の歯状に4本のホームが伸びる。」
改札口より櫛の歯状に4本のホームが伸びる。
「最終駅らしくすべてのホームには車止めがある。」
最終駅らしくすべてのホームには車止めがある。
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