「交錯する瀬戸内海とトンネル」
讃岐相生駅は香川県の東端の駅である。ここから国道を歩いても20分ほどで県境である。高徳線はここから「大坂越え」に入る。「大坂越え」とは、現在の国道11号線が走る鳴門を迂回する海岸線コースではなく、讃岐山脈の東端を越えて徳島市に最短で入る旧街道である。古くは屋島に平家を追ってきた源義経率いる源氏の軍勢がここを越えて、四国上陸ポイントの小松島から2日で屋島に到着したという伝説の道である。そして高徳線はこの「大坂越え」を10個あまりのトンネルを潜りながら、山間の集落、阿波大宮駅へと向かうのである。
特に讃岐相生駅を発車しての2キロあまりは短いトンネルと瀬戸内海の景色とが走馬灯のようにめまぐるしく交差し、地図上で海沿いを走りながらその実は海の見えるビューポイントの少ない高徳線の、人気ポイントのひとつとなっている。
トンネル群を抜けると、ほどなく徳島県の阿波大宮駅に到着する。ここは大坂越えの途中にある山間の集落である。大街道の宿場町ではなく山とわずかな畑に囲まれた何もない山里である。南海道の旧街道上に今も点在する古きよき四国として胸に刻んでおきたい風景である。
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「香川県最東端の讃岐相生駅。元東大総長の南原繁氏や東京ブキウギの笠置シズ子さんを輩出した地である。」
香川県最東端の讃岐相生駅。元東大総長の南原繁氏や東京ブキウギの笠置シズ子さんを輩出した地である。
「トンネルのくぐる大坂峠から相生方面を望む 最高時速120キロを誇る振り子式特急「うずしお」ならばどんどん登る坂を普通列車はのんびりとあがっていく。」
トンネルのくぐる大坂峠から相生方面を望む 最高時速120キロを誇る振り子式特急「うずしお」ならばどんどん登る坂を普通列車はのんびりとあがっていく。
「阿波大宮はまるで山の中の隠れ里である。」
阿波大宮はまるで山の中の隠れ里である。
「阿波大宮駅。大坂越えで久々に見る自動販売機。」
阿波大宮駅。大坂越えで久々に見る自動販売機。
「阿波大宮駅ホームと一人用の専用待合室。(笑)」
阿波大宮駅ホームと一人用の専用待合室。(笑)
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