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「奥祖谷人力ロープウェイ」
 平家落人伝説の残る四国の秘境・祖谷には、古来より谷を流れる祖谷川を跨いで数本の「かずら橋」がかけられている。中でも有名なのは「西祖谷のかずら橋」であり、昔はバスも交差できない崖沿いの道を数時間かけてたどり着く正真正銘の秘境であったが、今は大歩危駅よりハイウェイで20分足らずで手軽に観光できる徳島県屈指の大型レジャー施設となっている。代わって現在は、それより1時間ほどの上流にかかる「奥祖谷二重かずら橋」が人気である。同様に道路は拡張されたものの、こちらは今なお辺鄙さが残る剣山のふもと近くの谷あいに、夫婦でかかる2本のかずら橋である。
 
 この二重かずら橋の隣に再現されているのが、川を渡す荷物用の人力索道「野猿」である。こういった昔の河川用索道は、代替道路の整備や安全性の問題でほとんど撤去されてしまい、現在も実用として使用されているものはほとんど残っていない。国内では奈良県の十津川等に観光用として現存している。ここ奥祖谷の野猿は昔のものを再現して観光用に供しているものである。
 
 四国でも四半世紀前頃までは、山の中でこのような手綱のロープウェイや自転車動力の吊り舟を時々見かけたものだが、崖ふちにあり大概は朽ち果てていたので、そんなところで一人でそれに乗ろうとはとても思えなかった。ところが今では土日には観光客による順番待ちの列ができ、お金を払ってでも乗りたがるライドとなっている。それだけ四国の秘境も豊かになったのであろう。過疎地の交通機関の一つの姿である。
 
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 「国道439号線の剣山から西に5キロの地点にある奥祖谷二重かずら橋。ここ十年で有名になった。」国道439号線の剣山から西に5キロの地点にある奥祖谷二重かずら橋。ここ十年で有名になった。 
 
   
 「かずら橋(男橋)。本家の祖谷かずら橋より長さは短いものの、人が少ない分、揺らせて遊べるぞ。」かずら橋(男橋)。本家の祖谷かずら橋より長さは短いものの、人が少ない分、揺らせて遊べるぞ。 
 
   
 「これが野猿。実際は大人二人で満員である。太っている人は乗り込むだけで一苦労。」これが野猿。実際は大人二人で満員である。太っている人は乗り込むだけで一苦労。 
 
   
 「綱引きの要領で引っ張ると前に進む。いい大人がはしゃいで乗るのは少し恥ずかしいのか、みんな真剣な顔をして生真面目に引っ張る。(笑)」綱引きの要領で引っ張ると前に進む。いい大人がはしゃいで乗るのは少し恥ずかしいのか、みんな真剣な顔をして生真面目に引っ張る。(笑) 
 
   
 「向こう岸で順番待ちをしている人がプレッシャーで一所懸命こいだはいいが途中でくたびれて結局途中で一服してしまうしまうのがパターン。」向こう岸で順番待ちをしている人がプレッシャーで一所懸命こいだはいいが途中でくたびれて結局途中で一服してしまうしまうのがパターン。 
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