「これも鉄道あれも鉄道。」
運輸局で調べてもらうと「鉄道」という言葉を法律上の広義で解釈すると、ケーブルカーやロープウェイのような「策道」も、道路を走る市電のような「軌道」も鉄道であるということだ。そうすると香川県と徳島県の県境に位置する四国霊場88箇所第66番札所『雲辺寺』へのロープウェイも鉄道ということになり、この山頂駅は緯度的に香川県最南端の駅となる。
ご存知、四国霊場巡礼66番雲辺寺は標高約800メートル、88箇所の中では最も高いところにある札所である。ちなみにこの駅と車窓の88箇所巡礼での最高地点は 番の奥祖谷観光周遊モノレールの最高地点1380メートルである。勝った(笑)。そんなことはどうでもいいのだが、とにかくこの大型ロープウェイは永らく難所と謳われていた札所までの標高差660メートルを一気に昇って大勢の巡礼客を運んでいるのである。
山頂駅から徒歩5分で雲辺寺である。かつての戦国時代にかの長曾加部元親が四国制覇の野望について当時の住職にその成否を伺ったという伝説がある。住職は「たとえるならば四国は大きな水瓶。蓋をするにはそれ相応の蓋が必要。茶釜の蓋ではとてもとても。」と覇権を諌めるように答え、逆上した元親に切り殺されたという言い伝えである。しかしさすが徳の高い聖職の返答であろう。四国制覇を遂げた後の結果は歴史の示すとおりである。
山頂駅前には香川県と徳島県の県境を示すラインが引かれている。観光客が記念撮影をするお約束のスポットらしい。ほとんどの客がここを「股にかけて」写真を撮影している。香川と徳島を「股にかけた」つもりだろうが、茶釜の蓋ではとてもとても。(笑)
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「山麓駅。広大な駐車場と土産物店が建ち並ぶ。」
山麓駅。広大な駐車場と土産物店が建ち並ぶ。
「鉄塔間の距離は東洋一らしい。眼下には観音寺市。」
鉄塔間の距離は東洋一らしい。眼下には観音寺市。
「800mの山頂まで7分で登る速度は相当早い。くだりのゴンドラとあっという間にすれ違う相対速度は時速72キロになる。」
800mの山頂まで7分で登る速度は相当早い。くだりのゴンドラとあっという間にすれ違う相対速度は時速72キロになる。
「山頂駅からは瀬戸大橋も見える」
山頂駅からは瀬戸大橋も見える
「山頂駅前の徳島と香川の県境。制覇好きの人の習性か、ほぼ全員が線を跨いで写真を撮ろうとする。(笑)」
山頂駅前の徳島と香川の県境。制覇好きの人の習性か、ほぼ全員が線を跨いで写真を撮ろうとする。(笑)
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