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「いえいえ、ここからです。」
 箸蔵山箸蔵寺は828年に弘法大師が開祖したといわれる真言宗の古刹である。四国霊場88箇所札所ではないが、香川県と徳島県では「金比羅さんの奥の院」(讃岐山脈の裏が金刀比羅宮)として信仰され古くから栄えた寺社であった。境内には数々の国指定重要文化財や登録重要文化財、野口雨情の句碑等がある。
 
 池田町を見下ろす箸蔵山の中腹に設けられた本堂までは、戦前からケーブルカーがあり、戦後もリフトとロープウェイ連結の索道があったが、今はロープウェイ一本にまとめられている。四国でのロープウェイは珍しい時代から運行されていたことも、参拝客を増やした一因であろう。
 
 このロープウェイは350mの高低差を4分で人を運ぶが、なんといっても素晴らしいのは、四国山地の名山1333mの腕山(かいなやま)を背景とする吉野川中流の眺望であろう。この眺めを楽しむために参詣する観光客も少なくないようである。
 
 山頂側の箸蔵寺駅は既に箸蔵寺の境内である。おかげでラクチンでお参りができると喜んで駅に降り立つと、すぐ目の前の建物は本坊、その隣の立派な社寺は護摩殿である。初めての人はここを御本殿と間違えて一服するのであるが、その脇道から階段を少し昇ったところの左手の鳥居から見上げると、目眩がするほどの石段があり、はるか上の方に小さく見えるのが御本殿である(涙)。いかにロープウェイがあろうとも、やはりそれなりの修行をしないと帰してはくれないのが本当の名刹である。
 
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 「国道32号線沿いの登山口駅。ここから標高差341メートルを一気にロープウェイで駆け上る。」国道32号線沿いの登山口駅。ここから標高差341メートルを一気にロープウェイで駆け上る。 
 
   
 「小ぶりのゴンドラであるがバリアフリーで乗りやすい。」小ぶりのゴンドラであるがバリアフリーで乗りやすい。 
 
   
 「上りはじめるとすぐに阿波池田と吉野川が眼下に見える。優雅な参詣である。」上りはじめるとすぐに阿波池田と吉野川が眼下に見える。優雅な参詣である。 
 
   
 「箸蔵寺駅。すでに境内である。さすがロープウェイらくちんらくちん。」箸蔵寺駅。すでに境内である。さすがロープウェイらくちんらくちん。 
 
   
 「・・・と思ったら、果てしない石段のはるかかなたに小さく見えるのが本堂。百数十段はゆうにある。」・・・と思ったら、果てしない石段のはるかかなたに小さく見えるのが本堂。百数十段はゆうにある。 
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