「吉野川を縫って走る」
四国一の大河である吉野川は、石鎚山瓶ヶ森に端を発し、本川村から早明浦ダムを通って高知県大杉町で穴内川と合流し、大歩危をぬけて小歩危付近で銅山川と合流したのち阿波池田で向きを東に変えて中央構造線沿いに中州をつくりながら太平洋に抜け出るのである。
土讃線との絡みは繁藤〜大歩危〜阿波池田〜佃の区間であるが、この間の吉野川はまだ上中流域でありいわゆる渓谷に近い様相を見せる。車窓からの見所は大歩危峡あたりのようなイメージであるが、実はカーブやトンネルや国道との位置関係で、このあたりの景観スポットはそう多くはない。むしろ合流点手前の穴内川のあたりが車窓からのビュースポットである。穴内川河岸はラフティングや川辺の新設レジャー施設等に手をつけられることもなく、昔ながらの自然な吉野川水系の趣を楽しむことが出来るラインである。ぜひ普通列車利用で、のんびりと旅をしたい。
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