「運転士さん大忙し」
総延長200キロの土讃線は、上り方面からいうと、前半の100キロ区間は海岸線を走り、後半100キロ区間は一転して四国山地の最深部を突っ切ることになる。そしてこの後半区間には全国の鉄ちゃんに有名な「聖地」が3駅も存在するのである。この区間は大きな駅がほとんどなく特急列車は1時間に1本程度であるが普通列車は2〜3時間に1本となる。そしてこの3駅とも特急列車は停まらない(普通列車が停まらない駅もある 笑)ので心してかかるように。
その一つ目が四国第二の秘境駅といわれる新改駅である。ひとつ前の土佐山田駅は香美市の市役所がある平地の基幹駅である。そこからわずか7キロで秘境駅。四国の山の急峻さがよくわかる駅である。この駅は谷川を登る道の突き当たりに位置するのでここから先は獣道しかない。急勾配の地形なので線路の途中に駅を作るスペースが無く、いわゆるスイッチバック駅となっている。
スイッチバックとは斜面をジグザグに登り降りすることを言う。新改駅は駅が本線上ではなく引込み線にあり、停車すべき列車はいったん停止して逆進行方向で駅で進入する。自動車で言えば縦列駐車と同じである。ただし列車は自動車のように後ろを向いてのバック運転は出来ないので、運転士は一旦停止して車両後部の運転席に移動して逆方向に運転して駅に侵入し、駅で停車中に再び元の運転席に戻るのである。(動画参照 動画と説明は下り方面の場合 上りはこの逆)日本全国のJRや私鉄すべてを見渡してもスイッチバック駅はわずか24駅しかないが、土讃線のこの区間にはその中の2つがある。当然、もうひとつも聖地である。
めまぐるしく方向が変わるので運転士さんは大変である。さらに「聖地」なので、休日にはスイッチバック時の一挙一動が鉄道マニアのカメラに晒されることになる。よってこの区間の普通列車はベテランの運転士さんか、自らが鉄ちゃんの運転士さんが乗務することとなっている。(笑)
ちなみに昼間はほとんど乗降客がなく列車待ちの人も皆無である。あたりに人気がなさすぎるので駅舎の待合室の時計がよく盗まれるらしいが、こんな田舎の駅のどこにでもあるような時計をわざわざ持ち帰ろうとするのは・・・心当たりのある鉄ちゃんは職員室まで来なさい。(笑)
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「基幹駅である土佐山田駅の次駅が、いきなりこんな山の中である。」
基幹駅である土佐山田駅の次駅が、いきなりこんな山の中である。
「駅舎と駅前道路・・・といってもここで道は終わってしまう。」
駅舎と駅前道路・・・といってもここで道は終わってしまう。
「ホームから土佐山田方面。といっても袋小路駅なので反対方面はない。」
ホームから土佐山田方面。といっても袋小路駅なので反対方面はない。
「駅舎内の時計。時々、盗まれるらしい。なんで?」
駅舎内の時計。時々、盗まれるらしい。なんで?
「駅前の踏み切り。ここを渡ってどこへ行こうというのか?」
駅前の踏み切り。ここを渡ってどこへ行こうというのか?
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