「一周するトンネル」
第34番札所区間で予土線の車窓から川奥信号場を見たあと、トンネルを抜け若井駅で降りると、今度は反対方向から来る土佐くろしお鉄道中村線に乗り換えて、再び川奥信号場で中村方面に分岐してループトンネルに入る。 このループトンネルは、世にも珍しい地中をぐるっとスパイラルで一周しているトンネルである。なぜこんなものが必要なのかというと・・・。 若井駅のある窪川地区は平面の地図上では太平洋の沿岸にあるが実はギアナ高地のように海岸部からテーブル状に一気に300mせり上がっている台地上にある平地である。それが証拠に中村を河口とする大河四万十川は下流域では山間部へ向かうが土佐大正駅のあたりから180度方向転換をして太平洋方面へ向きを換え窪川町内で再び反転して源流のある四国の山中に遡上しているのである。片や若井駅の次駅である荷稲駅はカツオの水揚げ漁港として有名な佐賀町の近辺にあり、この駅間の標高差は実に険しい。直線距離では傾斜が激しすぎるために、わざわざトンネルを一周させて距離をかせいで高さの差を下げているわけである。 つまりここは山を越えるためのトンネルではなく、標高を下げるためのトンネルなのである。
周回の直径は1キロほどあるので列車に乗っていても大きな横Gを感じることはないが、いうなれば真っ暗な闇の中を渦を巻いて列者が疾走するディ○ニーランドのスペー△マウンテンの大型版だと思ってくれればわかりやすい。しかし、わざわざ伏字をしなくとも、米国DLの施設より中村線のほうがずっと古いことから、真似したのはむしろあちらかもしれない(笑)。とりあえず開き直って、こちらは年齢制限も身長制限もない「真スペースマウンテン」である。
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「窪川駅の次駅の若井駅。四万十川沿いの田園地帯であるが実は標高は300m弱の高地である。」
窪川駅の次駅の若井駅。四万十川沿いの田園地帯であるが実は標高は300m弱の高地である。
「山をトンネルで下った荷稲駅。同じく田園の駅であるが国道56号線を数キロも走ると太平洋である。」
山をトンネルで下った荷稲駅。同じく田園の駅であるが国道56号線を数キロも走ると太平洋である。
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