「もうひとつの桃太郎伝説」
鬼無は「鬼が無い」と書く。ごろあわせと思う無かれ、この地には古代から桃太郎伝説が残り、この駅からすぐのところに「桃太郎神社」まであるという、まるで岡山県に正面から挑戦状を叩きつけているような土地である(笑)。現に瀬戸大橋を通って高松と岡山とを結ぶ瀬戸大橋線には数年前まで「桃太郎列車」が運行されており、密かに両県の争いに拍車をかけていたのである(再笑)。
その時に義によって四国サイドに助太刀をしてくれたのが、日本を代表するゲームソフトメーカーの「ハドソン」様であり、ハドソンの擁する日本を代表するすごろくゲーム「桃太郎電鉄」様なのであった。ま、いろいろあったのだが、詳しく書くと怒られるので結果として(笑)、この鬼無駅に香川県産の高級庵治石を使って「桃太郎伝説」のキャラクターの石造りベンチを造ってくれたのである。ゲーム好きの子供達にとっては、ほんとに凄いことだったんだが、名だたる教育県である香川県の大人たちにはその価値がほとんど理解されずに完成後の数年間は日の目を見なかったんである(涙)。
その伝説の鬼無駅は、隣接・・・というか駅に入居している中華料理屋さんに営業を委託している駅である。写真のように駅の入り口よりも生ビールやチューハイの看板が目を引く。駅舎に入るとすかさず切符売り場に駅員・・・ならぬ中華料理屋のおばちゃんがスタンバイしてくれた。四国ではこのような駅をところどころに見かけるが、皆さん概して本業にも切符販売にも商売熱心であって微笑ましい。
ちなみに隣の香西駅からこの鬼無駅に向かう右側の車窓から「高松貨物ターミナル」が見える。貨物専用の駅なので一般旅客は立ち入れないが、四国中の貨物列車はこの駅で予讃線以外のコンテナを積み込み車両を再編成されて岡山へ向かうのである。ここも別名「四国桃太郎貨物駅」なる愛称をつけられているが、特に桃太郎の荷物であるきび団子を積み込んでいる訳ではないらしい。
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「まるで居酒屋の隣に駅があるようなデザインである。」
まるで居酒屋の隣に駅があるようなデザインである。
「中華料理屋と切符販売窓口とは完全につながっていて窓口にいるのはまんま中華店のおばちゃんである。(画像をクリックすると拡大)」
中華料理屋と切符販売窓口とは完全につながっていて窓口にいるのはまんま中華店のおばちゃんである。(画像をクリックすると拡大)
「ハドソン社長直々に寄贈の桃太郎電鉄のベンチ。この土地を知らない人はなぜここにこれがあるのかわからない。」
ハドソン社長直々に寄贈の桃太郎電鉄のベンチ。この土地を知らない人はなぜここにこれがあるのかわからない。
「隣にある国民的スーパーキャラクターを敢えて使わず、得体の知れないキャラクター入りの駅名板。(笑)」
隣にある国民的スーパーキャラクターを敢えて使わず、得体の知れないキャラクター入りの駅名板。(笑)
「反対ホームへの跨線橋は、なぜか駅の外からの出入り。」
反対ホームへの跨線橋は、なぜか駅の外からの出入り。
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