「すれすれ」
四国では一部の基幹駅を除くと駅舎のないホームだけの無人駅が当たり前である。讃岐塩屋駅もその一つであるが、ここはホームの一部に大きな屋根がある。遠くから見ると利用客が対面のホームへ渡るための跨線橋に見えるが、近くに寄ると何のことはない、普通の二車線の一般道路である。構内には踏切が無いので、向かいのホームへは一旦駅を出てこの車道を使って渡るので駅用の跨線橋であるといえばあるのだが。おまけに待合室のないこの駅において真夏日の日陰といえばこの道路下しかなくベンチも当然のようにここに置かれている。いうなれば車道と一体の駅である。
で、この橋の高さが鉄道を横切るにはなぜか異常に低い。写真のように下を潜るパンタグラフ用の架線にスレスレの高さである。なんでも、架線が必要な電気機関車がない時代に造られた跨線道路であるらしい。予讃線の一部電化の際に窮余の一策として線路の方を掘り下げたらしいのだが、それでもこれで精一杯であったという。実際、列車の車両形式によっては通過を見ていて「大丈夫か」と心配してしまうものもある。もちろん厳しい安全基準は満たしているのでまったくの杞憂には違いないのであるが、いかにもスリリングな駅である。
しかしこれだけ高さが低いと、ふと、急ぎの時には上の道路から列車の屋根に直接乗り込むことも可能ではないのかと思える。ただしここは日本の片田舎、西部無法開拓時代のアメリカ横断鉄道や人口爆発のインドや、ましてや仮面ライダーの撮影ではないので、良い子はへんな真似をしてはいけません。(笑)
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「自動車の通る跨線道路の下にある駅である。」
自動車の通る跨線道路の下にある駅である。
「反対側のホームへは道路を使って渡る」
反対側のホームへは道路を使って渡る
「天井(道路の裏側)すれすれに張られた架線」
天井(道路の裏側)すれすれに張られた架線
「パンタグラフを精一杯折り曲げて、ぎりぎりの間隔である」
パンタグラフを精一杯折り曲げて、ぎりぎりの間隔である
「車両によっては、この角度から見ると少し怖い。乗っている人はわかってないが。(笑)」
車両によっては、この角度から見ると少し怖い。乗っている人はわかってないが。(笑)
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