「世界最長 癒しのモノレール」
この奥祖谷観光周遊モノレールは世界最長を誇る。といってもたったの4.6キロを70分かけて人がゆっくり歩く速さですすむ。ちなみに新幹線なら新横浜駅から名古屋駅あたりまで、同じ70分でも340キロの距離を走る。ここはモノレールとしては世界最長駅間乗車時間区間なのである。前後2人乗りの自動運転ライドなので途中下車は出来ない。全線が高架モノレールなので飛び降りることも不可能。したがって70分間はオシッコにもいけない。鉄ちゃんにとっては世界最長の駅間乗車時間区間であるのだが、我々一般人にとっては世界最長のトイレ我慢区間なのである(笑)。
「モノレール」というものの、誰が見ても山の中でミカンを運ぶモノラックである。本来、徳島県と高知県の県境にそびえる名山『三嶺(みうね/高知県ではさんれい)』の中腹を周遊し自然を楽しむ施設であるので、路線上には説明のアナウンスも無ければアトラクションもない。前後の車両間にはお互いが視界に入らないたっぷりとした距離があり、すれ違いの車両も3、4回、ただただ静かな山の中をゆっくりと進む70分間である。
一人で乗ると日常の世俗の垢を洗い流す癒しの乗り物である。恋人同士で乗るとロマンチックな語らいの場となろう。しかし、さる友人は予備知識なしで倦怠期の奥様と乗ってしまい、お互い気まずい沈黙が70分間も続くという責め苦の経験を味わったらしい(笑)。さらに彼によると、背後からの殺気に耐え切れなくなるので絶対に後ろの座席に乗れということだった(再笑)。夫君を虐めたい世の奥方様にはお奨めの癒しの観光モノレールである。(笑えない)
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「山小屋のような駅舎」
山小屋のような駅舎
「成人男性がペアで乗るのには少し恥ずかしい車両」
成人男性がペアで乗るのには少し恥ずかしい車両
「山中を走るミカン運搬箱・・・いや違ったモノレール車両」
山中を走るミカン運搬箱・・・いや違ったモノレール車両
「早朝の一番列車に乗ると、まさに雲海を抜けてその上に出てくる。」
早朝の一番列車に乗ると、まさに雲海を抜けてその上に出てくる。
「標高800メートルから1400メートルの間でさまざまに変化する植生を間近に見ることが出来る。」
標高800メートルから1400メートルの間でさまざまに変化する植生を間近に見ることが出来る。
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