「自然災害の危険が日本一高い鉄道」
馬路村からさらに30分をバスで揺られて終点は、四国の秘境「魚梁瀬」である。ここはスギやヒノキの原生林を抱え、年間降雨量や一日の降雨量の日本一をいつも紀伊半島南部と競り合っている国内屈指の多雨地帯である。街道も無く長い間、外界から隔絶されてきた秘境であり、地域の記録ではこの痩せた土地に雑穀を植えて暮らしてきた人々が初めて外界から運ばれてきた「米」を口にしたのは明治後期になってからという正真正銘の隠れ里である。
今なお林業以外の産業は皆無であるが、村の真ん中の丸山公園(公園というより広場)に、昔の森林鉄道を懐かしむ鉄道が出来た。馬路温泉前にも同様のものがあるが、こちら魚梁瀬の方が大規模でまたのんびり度が高い。鉄道といっても、一周3分の遊園地のおサルの電車であるが、運転しているのはおサルではなく運転士さん(おそらく近所のおじさんが交代で)である。で、ダイヤはなく駅で声をかければ出発進行してくれる。
災害の多い地らしく、駅には乗車心得なる注意書きが大きく掲示されている。「運行中万一如何なる災害が生じても補償致しません」。大袈裟な洒落である。・・・が、それ以前の問題、災害のおそれのある天候時に日本一の豪雨地であるこの地に来ていること自体が「お前は既に遭難している」のと同じことである。(笑)
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「魚梁瀬森林鉄道内で最大で唯一の駅である」
魚梁瀬森林鉄道内で最大で唯一の駅である
「全線単線上りのみ」
全線単線上りのみ
「機関車 警備員兼切符販売兼駅長兼車掌兼運転士の人が居るときだけ運行」
機関車 警備員兼切符販売兼駅長兼車掌兼運転士の人が居るときだけ運行
「線路脇の鉄道博物館にある往時の本物の機関車」
線路脇の鉄道博物館にある往時の本物の機関車
「駅の乗車心得。なかなか厳格である。心して乗るように。」
駅の乗車心得。なかなか厳格である。心して乗るように。
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