「鉄橋と沈下橋」
愛媛県側予土線の車窓の楽しみはのどかな田園風景であるが、高知県に入った予土線の車窓のお伴は四万十川である。四万十川の観光用ポスターの眺めがそのまま車窓を流れるのである。期間限定のトロッコ列車や車内にフィギアを飾ったホビー列車も運行されているが、川沿いを心もとない古鉄橋を渡りながら縫うように走る普通列車の風情が一番似合うようである。鉄道マニアでなくとも2時間半の予土線だけでひとつの旅が完成する。いわば、テーマパークにあるジャングルクルーズのリアル版である。
特にこの大正から昭和駅間にある鉄橋(第4四万十川橋梁)と沈下橋(第一三島沈下橋)は四万十川中流の名場面のひとつである。ふたつの橋はともに古い建造物であるが、風景の一部として溶け込みながら、今も普通の生活の実用に供されている。作られていないこういったありのままの風景が四国の本当の財産であろう。
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「鉄橋と沈下橋が並ぶ風景を上流方面から」
鉄橋と沈下橋が並ぶ風景を上流方面から
「同じく下流方面から」
同じく下流方面から
「列車の運転席横より」
列車の運転席横より
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